糞耳とヘッドホン

―糞耳とヘッドホンの正しいお付き合いの仕方。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ヘッドホンの頭内定位について(6)・・・頭内定位と内外バランス

頭内定位と音場(感)について。


ヘッドホンの「音場」とは管理人は音像距離とは捉えず、低音の漠然とした広がり感と考えているから、低音がアタマの中に篭もる前面密閉型インナーイヤーなどは音場が例外なく狭いということになる。

このようなタイプは例外なく音場が窮屈だということになるのが、その中にあっても若干「閉鎖感が少ない」或いは、他の機種と比べて「音場が広い」と感じるタイプのものが存在する。

これは何故起こるかということについて。

tounaiteii-otoba1_20110905143513.jpg
頭蓋骨よりも内側に定位をするものを頭内定位、それよりも外の点を頭外定位とする。

写真のベージュっぽい色で塗った線より上にある赤い線が、頭内定位曲線頭内定位周波数分であって、青い線が頭外定位周波数分であるとする。

すると何が言えるかというと、

ア)頭内定位周波数=低周波数に偏った出力をする低域寄りのヘッドホンでは頭内定位量が多く、音のより多い部分が頭の中に定位をし、このようなヘッドホンでは音が頭の中に篭もる比重が外に定位をする量より相対的に大きく、閉鎖的な音場に感じられる

逆に、

イ)頭外定位周波数=高周波に偏った出力をするヘッドホンでは頭外定位量が多くなり、音のより多い部分が頭の外に定位をし、このうようなヘッドホンでは音が頭の中に篭もる感じが少なく、頭内定位型ヘッドホンの割に比較的閉鎖的でない音場に感じられる

―ということになるのではないかと。


「閉鎖的な音場に感じられる」とか、「閉鎖的でない音場に感じられる」とかヘンに書いたのが、これは音場全体の印象のことであって、厳密に音場が広いとか、狭いとかいったものではない。
音場の内外バランス感覚であって、広がりのハナシではない。

例えばEtymoric ResearchのMicroPROシリーズのような高域寄りのイヤホンでは頭内定位を必然的に起こしても、頭内/頭外バランスが良く、さほど閉鎖感は感じないはず。
しかし、これは音場が他の密閉型インイヤーに比べて広いというのではなくて、音場の内外バランスが良好だということ。

逆にKOSSの昔のSpark Plugなどは高域の延びと音圧が無く、音が頭の中に篭もる感じが強く、極めて頭に偏ったアンバランスな音だったと批評出来る。


この内外バランスという概念が、密閉型インナーイヤーの音の好き嫌いの指標になる―周波数特性的なものであって、性能指標にはならない―のではないかと管理人は考える。


スポンサーサイト

ヘッドホンの頭内定位について(5)・・・頭内定位とその度合い

機種によって違う頭内定位の度合いについて。



頭内定位の発生は振動板前面の密閉度によって異なる。
tounaiteii-kyokusen2_20110903171608.jpg
振動板前面の密閉度が高いほど、頭内定位曲線の傾きが大きく、頭内定位が強くなる。
逆に密閉度が下がると頭内定位が少なく、閉鎖感の少ない音になる。

曲線の変化に従って、音像伸張の度合いも変化し、ボーカル定位などが機種によって変動する。


メーカーが頭内定位を忌避する場合、ポートは小さくなり、反面低域の延びが悪くなる。
逆に低域の延びを重視する場合ポートは小さくなり、頭内定位と音像伸張が盛んに起こるようになる。
以下は振動板前面のポート―管理人は「フロントポート(振動板前孔)」と読んでいる―の写真例。

DSCN1171.jpg
audio-technicaのATH-CKM55。
ステムの生え際にちょこっとポートが確認できる。
audio-technicaの前面密閉型インナーイヤーはこの位置に
写真のように小さいポート(孔)を設けていることが多い。
が、孔のサイズはモデルによって違う。

DSCN1169.jpg
DENON AH-C252。
解像度も低いし、低域の盛りが激しすぎて管理人がとても聴けそうにないと感じたモデル。
見ての通り、ポートがない。
それ故にボンボンと膨らみっぽい低音と、酷い頭内定位がして聴いていて気持ち悪くなる。
面白いことに、このタイプは装着時に「ダイアフラムの軋み」が起こる場合がある。
何かというと、振動板前面が完全に密閉されている為、装着時や外す時に空気圧で振動板が「クシャ」っと潰れるような音が鳴る(笑)
振動板にも悪いだろうから、あまりこういう機種ポート無しモデルは見かけない。
KOSSのSpark Plugもこのタイプ。

DSCN1170.jpg
SonyのMDR-EX50。
一見して、上のCKM55に比べてポートサイズがデカく、頭内定位が少なく低域も元気がないのではないかと思いそうなのが、ポートサイズだけでなく、頭定定位の強弱にはこのポートに見える「音響レジスター」の厚みや素材も無視できない。
EX50の売り文句の一つに『高密度レジスターによる重低音再生』とあるのがコレはこのフロントポートに透過性の低い膜を貼って密閉度を向上させ、低域の延びを良くしたという意味。
(普通の消費者はそんなことシラネーよって。「魔法の言葉」)
y_MDR-EX50LP_008.jpg
http://www.sony.jp/headphone/products/MDR-EX50LP/feature_1.html#L2_20


以上三機種適当に見てきたのが、フロントポートはサイズとそこに張られている場合は音響レジスターの厚みなども考慮して密閉度が判断されなければならない。


このポートについて最近は低域の盛りと、売れ行きが比例する?からか最近のモデルは総じて(audio-technicaさえ)、ポートを小さくする傾向にあるように思う。
その反面で頭内定位が盛んに発生する機種が増えているという訳で、別にそれでマンゾクならばいいのが、「なんか閉鎖感が強くて嫌だナァ」とか、「音像の歪みが気になる」と感じる場合、このポートの大きいモデルを選択すればいい・・・。


(まだ続く)



ヘッドホンの頭内定位について(4)・・・頭内定位とボーカル定位原則

頭内定位とボーカルについて。

先に音像伸張ということについて説明したことを利用してイヤーピースや高密閉パッドを用い、且つバッフルポートを持たないヘッドホンにおけるボーカル定位仮説について説明。
tounaiteii-vocal.jpg
この想定グラフが傾いていることから、以下の原則が推定できる。

頭内定位を発生させるヘッドホンでは、

一、ボーカル定位は発音する音程によって絶えず変動する
二、声の低い男性ボーカルは、声の高い女性ボーカルよりも低く(近く)定位する

一、は音程によって受ける頭内引き込みの度合いが異なるために、音像定位がコチラへ向かって降下したり、上昇がったりするということ。

二、は一般的に推定される傾向であって、必ずしもそうなるというワケではないかもしれない。


このボーカル変動の現象は次の記事に書く、頭内定位の強弱による頭内定位曲線の変化によって、ヘッドホンによってボーカル定位が変化することを説明出来る。


三、高密閉型ヘッドホンでは、機種によってボーカル定位が変化する


以上三つを頭内定位型ヘッドホンのボーカル定位三原則と名づけておこうとおもう。


ヘッドホンの頭内定位について(3)・・・音像伸張

続き。

頭内定位曲線が傾いていること故に音像が不自然に伸びるということが生じる。
管理人はコレを音像伸張と読んでいるのが、これの生じる原因について説明。


一つ音=音像と言ってもそれは極めて広い帯域を持つ。
vcal_spctrm_ml.jpg
vcl_spctrm_fml.jpg
コレは英語のリスニングのCDから男性の声と、女性の声の一部を再生した際にスペクトラムを取ったもの。
見て分かるように非常に広い帯域を持つことが分かる。

一つの声の音像が広い帯域を持つものであり、これを先の頭内定位曲線にテキトーに当てはめてみる。
onzousincyo-vocal.jpg


するとどうなるかと、一つ声の音像と言っても、含まれる周波数毎に定位距離が異なるという怪奇な現象が起こることになる。
含まれる低周波音像「a」が、近く「a'」に定位し、「b」は幾分近い「b'」へ、擦音のような高周波音像は引き込みの影響を殆ど受けず、「c」は遠く「c'」へ定位をする。

コレを立体チックに描くと下のようになる。
otozousinncyou2.jpg
ボーカルだけでなく、全ての音像が本来的な定位位置からコチラへ向かって伸びるということを意味する。

しかもそれが演奏する、或いは発音する音程によって連続的に変化する為、音像がコチラへ向かって絶えず伸び縮みし続けるという滑稽な現象が起こる。


高い音程の音は頭内定位の影響が少なく、遠くに安定して定位をするが、低周波を多く含む楽器などの音像定位が特別不安定になる。



このように頭内定位を原理として、前後に伸び縮みする音像が「伸張音像」であり、この現象を管理人は「音像伸張」と勝手に読んでいる。



(つづく)

ヘッドホンの頭内定位について(2)・・・頭内定位曲線

ヘッドホンの頭内定位について(2)・・・発生原理の続き。

ヘッドホンの頭内定位について(2)・・・頭内定位曲線について。


イヤーピースや高密閉パッドを用い、且つ、バッフルポートを持たず、さらに振動板前面の空間体積の小さいヘッドホンでは頭内定位が発生すると書いた。
それでそのことについて、もう少し詳細にみて見る。



●頭内定位曲線(仮説)
先にキッチリと耳に栓をした状態での低域の音圧上昇について書き、その反面として頭内定位が起こると書いた。
これはつまり、密閉空気の影響が大きい低周波域へ行くほど、頭内定位が激しくなるということになる。

しかし、幾ら完全に耳に栓を出来たところで、イヤーピースや、外耳道の柔軟性や、僅かな隙間から空気の密閉硬度が下がってしまう。
それ故、最低域では幾ら栓がキッチリ出来たとはいえ、音圧上昇に限界が出てくる。
そのような低帯域では頭内定位も若干緩和してくるはず。

それで管理人は下のような似非グラフを書いてみた。
tounaiteii-kyokusen.jpg
頭内定位が起こる場合、周波数によって一定ではなく、周波数によって定位距離が異なってくる。
基本的に低周波ほど定位距離が近くなる。
「近い」とはどこに近いかというと、脳が位置錯誤を起こす左右の鼓膜付近と、センターの音像は鼓膜と鼓膜を結ぶ中点Mに近いということ。
中央の音像のイメージをそれっぽい図で書くと下のようになる。
tounaiteii.jpg
高域成文の多い楽器などは、本来的な定位位置から変動せず、最も遠くに音像定位する。

中音はさながら、光学分解にかけたように細長く伸びたように定位をする。

低音は頭内に圧縮され、不自然に高密度な音像を形成する。

これを全方向でみるとさながら頭の中にブラックホールのようなものがあって、音像の低周波成分を中点Mへ向かって引きずり込むような歪んだ空間のイメージとなる。
いや、実際に高密閉型タイプのヘッドホンの音場は中央に向かって歪んでいるというのが管理人の仮説。


コレについて次の次の記事と見て行く・・・。




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。