糞耳とヘッドホン

―糞耳とヘッドホンの正しいお付き合いの仕方。

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振動板(1)・・・振動板の傾斜振幅について

夏休みの自由研究(笑)
ヘッドホンの振動版に関してオモスィロイ発見をしたので、紹介。

題して傾斜振幅

もしかしたらこれは前面密閉型の定位理論と共に、管理人のスーパーワークの一つになるとおもう。
では始まり。


管理人はヘッドホンについて、以前から不思議に思っていたことがことがある。

何かというと、大口径のヘッドホンよりも、小口径のインナーイヤーの方が分割振動が少なく、音像定位にブレがでないはずなのに、実際に聴いて見ると大差ない―どころか場合によっては大口径の方が音の分離が良く感じたりするのは何故か?いうこと。

これに関連して、何故SONYやなんかのモニター系ヘッドホンは大口径のものが多いのか?―「もっと小口径の方が分析的な聴き方に向いてるじゃん・・・?」ということも。

「ドライバの口径と音像定位は関係がないから、なら、低域の再現性を上げる為にドライバの口径をデカくしよう!」としておるんだと、管理人は思っていた。

ところがどうもそうでないらしい。

寧ろメーカーは音像定位を上げる為にドライバの口径を逆に大きくしているらしい。

この逆説がどういうことか、管理人の発見した『傾斜振幅tilt-stroke』という概念で説明が出来る。


(以下振動版の振幅について説明)


『通常振幅=理想の振幅』
smpl-strk2.jpg
理想的な振動版の振幅は図のように振動版の平面が乱れることなく運動する。
図とは逆、後退運動も同様。
(ところが振動板の口径が大きい場合、高音域を再生させると振動数に振動板が付いてこれず、図の上の平行線が盛んに乱れることになる。これが分割振動なワケだけど、ここでするのはその話じゃない)

上の図の理想的な振動板の動きに対して、現実の振動板の多くというのはそうも上手く動いてはいない。
下で「リアルな」振動版の動きを説明。

『傾斜振幅=現実の振幅』
tlt-strk2.jpg
C505_keisya_smpl.jpg
(決定的瞬間。イヤホンはaudio-technica ATH-C505、かなりの音量)

これが市場にある大多数のヘッドホンの振動版の動き。
図でみて分かるように、振動版に特殊な接着剤で貼り付けられたコイルワイヤーが振動板の裏に貼り付けられてあって、それが振動版の動きを妨げ、振動版はコイルワイヤーの方向に傾斜して振幅運動を起こしている。
振動版が引く場合は上の逆。

信じられないかも知れないのが、コレが現実の大多数のヘッドホンの振動版では当たり前のように起こっているらしい。
管理人は大音量での「エージング」の際に振動板を観察していて、この振幅の存在にやっと気付いた。

この傾斜振幅は振動板が大きく動くほど歪みが激しく、分割振動とは逆に、低周波の方から音像定位に影響を与える・・・のではないか?

このヘンチクリンな振幅を防ぐ為にはどうすれば良いか?

それが先の謎2のSONYやなんかの大口径タイプのモニターヘッドホン。
メンドクサイので図は描かないけど、上の図のドライバユニット-振動板の横幅を大きくすれば、傾斜が緩くなる。
また振動板に占めるコイルワイヤーの糊で固定された面積が小さくなり、傾斜振幅が小さくてすむ。

つまり、これがメーカーが振動板の口径を上げたくなる理由。


そして、その逆が小口径のインナーイヤーの音像定位が思ったほど上がらない理由であるということ。

口径が小さいと振幅傾斜が激しく、高周波より始まる分割振動は遅くなるが、低周波より始まる傾斜振幅によって、音像が乱されるのではないか?
つまり、小口径のインナーイヤーなどでは確かに分割振動が少なく、高周波音像の定位は良いが、低周波音像が定位感を鈍らせているのではないか?ということ。

ヘッドホンの定位感というのはこの二つの度合いによって決まるんじゃないだろうか?


また口径を大きくする以外、振幅傾斜を減らすもう一つの理想的な方法がある。

それが非接着型コイルワイヤーという方法。
smpl-strk3.jpg
MX371st.jpg
(写真はSENNHEISER MX371)

この型はSennheiserのHD650等リスニング用の高級機に多いタイプ。

この場合振幅を阻害するコイルワイヤー・接着剤が無く、振動版は理想に近い形で振幅をすることが出来る。

結果このタイプは接着型に比べ傾斜振動が少なく、低周波音像の定位が良い・・・かもしれない。
また、振動板の有効面積が接着型よりも幾分広くなり、同じ口径の接着型よりも低域の再生力が高くなる・・・かも知れない。




「は?それじゃどう考えても、振動版に接着しない方が音良さそうじゃん!・・・・っていうか、モニタータイプで定位の鈍る接着振動板とかフザケンナよ!」


・・・って思うかも知れない。
これについて管理人なりに考えてみたけど、どうもこれはヘッドホンの信頼性・耐久性というので説明するしかないんじゃないかと思う。
つまり、非接着型だと高速で暴れまわるダチョウに細い手綱一つで跨るようなもので(笑)、コイルワイヤーが波打って切れやすい。
対して、接着型だとコイルワイヤーが固定されていて振動版の動きによってコイルワイヤーが吹っ切れるということがない。
おそらく、耐入力特性を向上させるために接着してしまうのではないかと考えられる・・・のではないかと。

メーカーとしては故障・返品のリスクを背負うよりは、定位特性を少し犠牲にして製品の信頼性を大きく高めようとするのが全くメーカーとして合理的な判断なんだろうと思う。


この傾斜振幅についてまとめておくと、市場のヘッドホンの何割か―管理人の感覚では9割以上が―この傾斜振幅を少なからず引き起こすドライバユニットを採用している。
市場には二タイプのドライバユニットのヘッドホンが有ることをヘッドホンオタクなら必ず知っておく必要がある。
ところどうも、管理人とメーカー技術者以外気付いていないことなのかもしれない。
残念ながら、ネットで調べても出てこなかった。

メーカーはこんな技術的なことは説明しないからお陰で、「定位が悪いのはケーブルのせいだ!」とかいった話、ヘッドホンのケーブルがスケープゴートのように身代わりになって、呪われている。
・・・じゃなくて、ケーブルの配線だとか、質の問題ではなくて―この二タイプのユニットの違いが定位特性を明確に変えているらしい?

以降の記事でもう少し説明―。

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